ポジティブ思考のデメリット〜無意識の抑圧と生き辛さ〜

 

ネガティブ思考をやめて、ポジティブ思考で過ごせば、生き辛さを手放せるかもしれない。
そう思っている方は多いと思います。

だけど間違った解釈の元、むやみやたらに取り入れたり
メンタルブロックや無意識の思い込みに関係のあるネガティブ思考や、ポジティブ思考が絡んでいる場合、却ってあなたを苦しめる事になってしまいます。

 

例えば、いつでもポジティブでいないといけないと思い込んでいる方、
あるいは自分でも気付かないところで無意識にそう思い込んでいる方は

ネガティブな気持ちを感じた時に、反射的にポジティブに変換して
ネガティブな気持ちをスルーして、なかった事にしてしまいがちです。

 

ポジティブ思考を心がけている方にとっては
それは何の問題もないように思われがちですが
実際には、ネガティブな気持ちを抑圧している事になってしまうのです。

つまり、ネガティブな気持ちになったからと言ってポジティブ思考に変換したところで
ネガティブな気持ちはなくならずに、あなたの心の奥(無意識の中)に沈んでいくだけで

いくら表面でポジティブを装っても、実際のところ(内側では)全く満たされず

生き辛い人生を手放す為にポジティブ思考に意識を向けているのに
結果的に、そうする事でネガティブな気持ちを抑圧してしまい
生き辛さから逃れられなくなってしまっているという事になります。

 

 

この間、"抑圧"に関する事例がたくさん載っている本を読んだのですが

私が普段からクライアントさんにお伝えしている
ポジティブ思考と抑圧についても書かれてあり、とても納得しながら読み進めていました。

 

その本に書かれていたことを一部引用します。

ー引用ー

なぜなら第一にポジティブ思考はその根本に、
自分には現実(ネガティブな現実)に対処するだけの力がないという
無意識の思い込みを抱えているからだ。

 

上記引用にある、「現実に対処するだけの力がない」ということ自体は問題ではありません。

ここで重要なのは、現実に対処するだけの力がないという「無意識の思い込みを抱え込んでいる」という事です。

 

では「現実に対処するだけの力がない」という思い込み(心の癖)は
いつどのように創られたのかと掘りさげて考えてみると
幼少期に無意識に身につけてきたのだと理解できます。

幼少期は誰でも無意識に抑圧をして、そうやって生き延びてきたからです。

 

 

例えば、私が持っていた思い込みの一つに
"私の両親の愛情表現は、子どもに干渉しないこと"という思い込みがありました。

家庭内の会話は一切ないし、両親は私に関心を持っていないけど
それでも私は愛されてるんだ、と思い込みたいが為に創り出したのがこの思い込みです。

 

この思い込みがあった事で
子どもに甘い親や、親に甘えている子、親子がベッタリ仲が良い家族を見ると
「この親は愛し方を間違っている」と小学生くらいの時にはもう、本気でそう思っていました。

そうやって「そんな愛情表現をするのは間違っている」と他人の親を心の中で責める事で
「私の両親の愛情表現が正しい」と思い込む事ができ
そして、私に関心を持たない両親から「私は愛されているんだ」と思う事ができたのです。

 

この例で言うと

「家庭内の会話は一切ないし、両親は私に関心を持っていない」と言うネガティブな現実を

「私の両親の愛情表現は子どもに関与しない事」と思い込む事でポジティブに変換していました。

つまり、ポジティブ思考へ変換してネガティブな現実を抑圧してしまい
その結果、それが心の奥の見えない所に沈んで行き、無意識に他人の親子に反応していたのです。

 

先ほどの引用した言葉を借りると
当時の私は「私に関与しない両親は私を愛してくれていない」と思い込んでいて
その現実に対処するだけの力が実際にありませんでした。

子どもですから、どうする事も出来なかったのです。

なので、「子どもに関与しないのが両親からの愛情表現」とポジティブに変換して
ムリヤリ両親からの愛情を感じていたのです。

(こうやって小さな子どもは、自分を守る為に自分でどうにか防衛をします。
それが私の場合は「子どもに関与しないのが両親からの愛情表見」と思い込む事でした。)

 

ただ、幼少期は
「ネガティブな現実に対処するだけの力がない」という状況は沢山あり
その結果、私たちは事あるごとに無意識にポジティブに変換して生きてきましたが
大人になった今、そうする必要はありませんよね。

 

そのことに気づけた時に、ネガティブ思考と向き合う準備ができます。

ネガティブ思考と向き合う準備さえ整えば、消化できることが沢山あります。
その為の第一歩は、ネガティブを追い払わないこと。

 

多くの方は、ネガティブよりはポジティブの方が良いと思っていると思います。

それは間違いではありませんが、その考えに囚われ過ぎると、自分を苦しめることになる場合があります。

 

「ネガティブ思考は良くないから、どんな時でもポジティブで過ごそう」など
こういった日常を繰り返すことによって、先ほどの本の引用にあった言葉のように

「私はネガティブな現実に対処するだけの力がない」という思い込みを
無意識に深めていってしまうからです。

 

本当の意味でネガティブ思考を手放す為には、自分自身と向き合うことです。

ポジティブ思考は、自分に嘘をつき、自分を誤魔化してしまう場合がある事を理解し
そして、ポジティブ思考やネガティブ思考に囚われず、全ての感情を受け入れることから始めてみて下さい。

それが出来るようになって、その意味を理解できたときに
本当の意味でのポジティブ思考が理解できるようになります。

そしてそうなれた時にはもう、ポジティブ思考に囚われないあなたになっているはずです^^

 

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